2010-01-29
クリシュナムルティとサティシュ・クマールの出会い
その他 |
私たちは学園のゲストハウスまで歩いていき、アチュットがドアを静かにノックした。ドアを開けたのは、準備して待っていたクリシュナムルティーその人だった。
「元ジャイナ教僧侶のサティシュです」とアチュットが私を紹介してくれた。
「お早うございます。先生」とクリシュナムルティーは丁寧で優しい声でいった。私は24歳の普通の若者に過ぎなかったので、「先生」と呼ばれて面食らった。今まで誰も私を「先生」と呼んだことはなかった。私は言葉を失ってしまった。
【『君あり、故に我あり 依存の宣言』サティシュ・クマール/尾関修、尾関沢人〈おぜき・さわと〉(講談社学術文庫、2005年)】