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クリシュナムルティの智慧 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-07-01

我々がすがりつくものの正体

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B――しかしわれわれは、つねに安定を求めてきたのです。


S――なるほど、しかし、何が安定だと思いますか。たとえばですね、あなたは科学者になられた、自分の研究室を持っており、そして四六時中書物と向かいあっておられる。ではいったい全体、何をもって安定とみなすのですか。


K――何かをもつこと……


S――知識をですか。


K――何かすがりつくことのできるもの、消滅しえぬもの。結局は消滅するかもしれないが、さしあたり目の前にあって、すがりつけるもの。


B――それを人は永遠なるものと思いこむのです。その昔、黄金が不滅なるものの象徴なので、黄金を貯えるのをつねとした人々のように。


S――いまもない。黄金を貯えている人々がいます……実業家たち。彼らは金銭を貯えてきたのです。


B――それが本当にそこにあると感ずるのです。それはけっして腐敗せず決して消え失せないから、あてにできると思うのです。


S――ですからそれは、自分があてにできる何かなわけです。


K――あてにする、すがりつく、執着する……


S――〈私〉


K――まさにそのとおり。


【『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉(平河出版社、1986年)】


生の全体性

2010-06-02

〈私〉こそが重要だ

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B――それが最も重要に思われるのです。もちろん。


S――最も重要なのです。


B――そうです。人々は、もし自分がみじめなら、全世界が無意味だと言うのです。違いますか。


S――それだけではありません。〈私〉が最も重要なら、私はみじめです。


K――いや。〈私〉のなかに最大の安定がある、とわれわれは思いこんでいるのです。


S――たしかに、それがわれわれの考え方です。


K――いや、われわれの考えていることではなく、事実そうなのです。


B――事実そうだとは、どういう意味ですか。


K――それがいま世界で起こっていることだからです。


B――それが、まさに起こっていることです。しかしそれは思い違いです。


K――そのことはあとで触れるでしょう。


S――それは良い着眼点だと思います。たしかに、〈私〉【こそ】が重要だということ――私はこの把握の仕方が気に入りました――。これは事実そのとおりです。それが万事です。


K――心理的に。


B――心理的に。


S――心理的に。


K――〈私〉、私の国、私の神、私の家。


S――あなたの言わんとするところがわかりました。


【『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉(平河出版社、1986年)】


生の全体性

2010-04-22

〈私〉は私に完全な安定を与えてくれる

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K――自らを欺いてきたのは、いったいなぜでしょうか。


S――イメージ、力。


K――いや、それよりずっと根深いのです。なぜ人間は心理的安定に重きを置いてきたのでしょうか。


S――われわれは、それが安定のあり場所だと考えているようです。


K――いや、それをさらに調べてごらんなさい。〈私〉が最も重要です。


S――なるほど。それは同じことです。


K――いや、〈私〉です。私の地位、私の幸福、私の金銭、私の家、私の妻――〈私〉です。


B――〈私〉。そうです。そして各々が、自分は全体の精髄(エッセンス)だと感じているのではないでしょうか。〈私〉が、まさに全体の精髄なのです。もし〈私〉がなくなったら、あとは無意味になってしまうだろうと感ずることでしょう。


K――それが、要点のすべてです。〈私〉は私に完全な安定を与えてくれるのです。心理的に。


【『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉(平河出版社、1986年)】


生の全体性

2010-03-28

断片化の原因は知識

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K――私はこう言ったのです。何がこの葛藤の根源なのだろう? 根源は断片化です。あきらかに。では何が断片化をもたらすのだろう? 何がその原因だろう? その背後にあるのは何なのか? そしてたぶんそれは知識だろうと言ったわけです。


S――知識ですね。


K――知識です。私は、心理的に知識を利用するのです。私は、自分が変化し、動いていくので、実際には自分のことを知らないのに、自分自身のことを知っていると考えます。あるいは私は、自分自身の満足のため――自分の地位、自分の成功のため、世の中で偉人になるため――に知識を利用するのです。たとえば、自分は大学者だ、といった具合に。私は万巻の書物を読みます。それは私に地位、威信、ステータスを与えてくれます。こうして、安定、心理的安定への願望があるとき、断片化が起こり、それが生物的レベルの安定を妨げているのではないでしょうか。


【『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉(平河出版社、1986年)】


生の全体性

2010-03-06

知識は過去である

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K――「知る」という言葉。私はあなたを知っているでしょうか。あるいは、知っていたでしょうか。私は、自分はあなたを知っている、とは実際上けっして言えません。「私はあなたを知っている」「私はあなたを知っていた」などと言うのは、はなはだいまわしいことです。私がそう言っているあいだにも、あなたは変化している――あなたのなかでは、大きな運動が進行しているのです。私はあなたを知っている、と言うことは、あなたのなかで進行中の運動を私がよく知っていること、それを熟知していることを意味します。ですから、私はあなたを知っているなどと言うのは、あなたに対する私の側の厚かましさというものです。


S――たしかに。


K――ですから知ること、知識は、過去のものです。そう思いませんか。


B――そう、われわれが知っていることは過去だ、と私も思います。


K――知識は過去なのです。


B――なのにわれわれがそれを現在だとみなすところに危険があるのです。危険なのは、われわれが知識を現在だと思いこむことです。


K――まさにそのとおりです。


【『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉(平河出版社、1986年)】

2010-02-16

心理的安定と断片化

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B――何もかもが急速に変化しているので、自分がどこにいるのかわからないほどです。それなのになぜ、問いたださずに生き続けていこうとするのでしょう?


K――なぜ問いを発しないのでしょう? 恐怖のせいです。


B――ええ、しかしその恐怖は断片化から起こるのです。


K――むろんそうです。では、それがこの断片化のはじまりなのでしょうか。断片化は、人が安定、安全を追い求めているときに起こるのでしょうか。


S――しかしなぜ……?


K――生物的ならびに心理的に。まず何よりも心理的に、しかるのちに生物的に、あるいは物質的に。


B――しかし、物質的安定を求める傾向は有機体に組みこまれているのではないでしょうか。


K――ええ、そのとおりです。人は衣食住を確保しなければなりません。それは絶対に必要です。


S――そうです。


K――そこでそれが脅かされるとき――もし私がソ連で暮らしながら、共産主義体制を全面的に批判したら、私は人非人扱いされるでしょう。


S――しかし、ここは少々ゆっくりと進めていただきたいのですが、生物的に安定を求めていくことで、人は何らかの断片化に陥らざるをえない、とあなたは示唆していらっしゃる。


K――いや、そうではなく、生物的レベルで断片化、不安定が起こるのは、人が心理的レベルで安定を欲するときです。


S――それならわかります。


K――私の言うことがおわかりですか。ちょっと待ってください。それはつまりこういうことです。もし人が心理的に何らかの集団に属さなければ、そのときはその集団からはみ出してしまいます。


S――すると不安定になる。


K――不安定です。そしてその集団が私に安定、物質的安定を与えてくれるので、私は、それが与えてくれるものを何もかも受け容れてしまうのです。


S――ええ。


K――しかし人は、真理的に、社会、コミュニケーションの構造に異議を申し立てるやいなや、途方に暮れてしまうでしょう。これはあきらかな事実です。


S――たしかに。


B――そうですね。


【『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉(平河出版社、1986年)】

2010-02-04

「私」は断片化そのものである

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K――それはあなたが、自分はクリスチャンだと言うのと同じことです。それは何を意味しているのでしょう?


S――伝統、条件づけ、社会、歴史、文化、家族、等々のすべて。


K――しかし、何がその背後にありますか。


S――その背後には人間の……


K――いやいや、理論化しないで、それを自分のなかに見出すようにしてごらんなさい。


S――そう、それは私に居場所、アイデンティティを与えてくれます。そのとき私は、自分が誰かを知り、自分の小さな居場所をもつのです。


K――誰がその居場所をつくったのですか。


S――私がそれをつくり、そして周囲に私が手を貸したのです。私は、まさにこんなふうにして協力しているのです。


K――協力しているのではなく、あなたは即それなのですよ。


S――私はそれです、たしかに。何もかもが……私を穴に押し込めるほうへと動いているのです。


K――では、何があなたをつくり上げたのでしょう? 曽祖父のそのまた曽祖父がこの環境、この文化、この、人間存在の全構造とそれに伴ういっさいの不幸、いっさいの葛藤――すなわち断片化――をもたらしたのです。


【『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉(平河出版社、1986年)】